腹話術の人形を自力で作ってみた

1号

それはリベンジだった

毎年正月、実家に兄弟の親戚一同が集まってお鮨を食べるという恒例の会がある。
兄弟の子供たちも毎年大きくなり、得意な一芸をお祖父ちゃんに披露するのもまた恒例となっている。

姪っ子の中で一番芸達者なのが一番若いKちゃんだ。2歳からバイオリンや英語そして体操教室にも通っている。3歳で美しい側転、4歳ではバク転、昨年は合わせ技でバク中までやってのけたタレントである。

こんな天才キッズも子供なので、今年は彼女に出来ないことで驚かせてやろうと考え、靴下にピンポン玉の目玉を瞬間接着剤で二つ貼り付けてカエルっぽいパペットを作って隠し持って行った。

そして今年も彼女が大喝采を浴びて席に戻ったタイミング。
良し、ここぞとパペットを取り出し、
「こんにちは~、ボクはカエル君だよ!」
とにわか仕込みの腹話術で話しかけたその刹那、彼女はビックリしてカエル君の目玉をもぎ取ってしまった。。。
カエル君デビューわずか4.5秒で撃沈。(ち~~ん)

そして私は猛烈に反省した。彼女の芸は一朝一夕のものではないのだ。そんな彼女を子ども扱いしてにわか仕込みのパペットで一泡吹かせる気でいた自分が心底恥ずかしかった。
やるなら本気でやらねばと肚を決め、それから一年がかりのリベンジがスタートしたのだった。(メラメラ~)

1go-1

設計はあいまいとしたままに作りたい衝動に負けて制作をスタートした。


高儀 クランプ TAKAGI ホビークイックバークランプ 100mm 2個組 HQB-100-2P
1go-2

先ずは顔、中でも腹話術の真骨頂である口のメカニズムから作って行った。
ここは最も肝なので制作スタートまでの2週間くらい、通勤時間中ずっとノートにアイデアスケッチを描いていた。
結局、樹脂製の箸箱(蓋が滑るやつ)にあごのパーツを付けて、バネで口が閉まっている状態から下方向にひもで引き下げる構造にたどり着いた。

1go-3

工具を並べるとベータエンドルフィンとアドレナリンの両方が滴ってくる。

1go-4

骨格だけは頑丈にしたので、成形は小学校以来の張子方式だ。


いっこく堂 世界で1つのショータイム [DVD]
1go-5

工作用紙を3cm幅のバンド状にカットして木材の骨格にタッカーで固定していく。
おおまかな顔になったら、わら半紙を4cm角に切ったものを障子用の糊で貼っていく。
頑丈にしたいので、5重くらい重ね貼りをした。

1go-6

カチカチに乾燥したら、軽量紙粘土で肉付けする。張子と粘土を密着させるために木工ボンドを塗ってから粘土を乗せた。
目玉はお茶の水のレモン画粋で人形の目をゲット。これは正解だった。

1go-7

粘土が乾燥して固まったら汚れない様にリキテックスのパーマネントバーニッシュを塗ってみた。まだ下塗りなので、顔はマジックで適当に。

1go-8

冒頭に書いたように「口ありき」で作り始めたので体は後付けで考えながら作って行く。
胴体部分は空洞なので、肩と腰に骨格を入れる。

1go-9

後付けで身体を作って足まで来たら結構なでかさになってきた。
足は紙管(ボイド管)と丁番。膝の後ろはナイロンベルトで適度の硬さの関節を表現。

1go-10

手だけは服を着せても露出するので、ちょっと手間をかけてブロックから彫り出してみた。

1go-11

腕の関節も足と同様に。後で紙粘土で肉付けするので木ねじを揉んでおく。

1go-12

顔の色は悩んだ末、リアリティを追求して肌色にした。ターナー水性ネオカラー。
胴体も頭の時と同じように張子にしてガチガチに。

1go-13

背中はくり抜いて口の操作を出来るように。中心の脊柱的な角材の反対側にレバーを引くと口が開く仕組みです。腰回りから胸、腹筋は少々粘土で盛りました。
この後腕をナイロンベルトで骨格にビス止めして完成です。

1go-14

身長115cm、体重10kg。6歳男子の平均身長です。

1go-15

完成!
想定外に顔認証も(笑)。

もちろん、翌年の新年会では新しいスターになりました。
腹話術の腕前もかなりのレベルだったので。

※ 夜中と休日(晴れた日だけ) を使い制作期間は約6か月でした。

腹話術の人形を自力で作ってみた

1号

それはリベンジだった

毎年正月、実家に兄弟の親戚一同が集まってお鮨を食べるという恒例の会がある。
兄弟の子供たちも毎年大きくなり、得意な一芸をお祖父ちゃんに披露するのもまた恒例となっている。

姪っ子の中で一番芸達者なのが一番若いKちゃんだ。2歳からバイオリンや英語そして体操教室にも通っている。3歳で美しい側転、4歳ではバク転、昨年は合わせ技でバク中までやってのけたタレントである。

こんな天才キッズも子供なので、今年は彼女に出来ないことで驚かせてやろうと考え、靴下にピンポン玉の目玉を瞬間接着剤で二つ貼り付けてカエルっぽいパペットを作って隠し持って行った。

そして今年も彼女が大喝采を浴びて席に戻ったタイミング。
良し、ここぞとパペットを取り出し、
「こんにちは~、ボクはカエル君だよ!」
とにわか仕込みの腹話術で話しかけたその刹那、彼女はビックリしてカエル君の目玉をもぎ取ってしまった。。。
カエル君デビューわずか4.5秒で撃沈。(ち~~ん)

そして私は猛烈に反省した。彼女の芸は一朝一夕のものではないのだ。そんな彼女を子ども扱いしてにわか仕込みのパペットで一泡吹かせる気でいた自分が心底恥ずかしかった。
やるなら本気でやらねばと肚を決め、それから一年がかりのリベンジがスタートしたのだった。(メラメラ~)

1go-1

設計はあいまいとしたままに作りたい衝動に負けて制作をスタートした。


高儀 クランプ TAKAGI ホビークイックバークランプ 100mm 2個組 HQB-100-2P
1go-2

先ずは顔、中でも腹話術の真骨頂である口のメカニズムから作って行った。
ここは最も肝なので制作スタートまでの2週間くらい、通勤時間中ずっとノートにアイデアスケッチを描いていた。
結局、樹脂製の箸箱(蓋が滑るやつ)にあごのパーツを付けて、バネで口が閉まっている状態から下方向にひもで引き下げる構造にたどり着いた。

1go-3

工具を並べるとベータエンドルフィンとアドレナリンの両方が滴ってくる。

1go-4

骨格だけは頑丈にしたので、成形は小学校以来の張子方式だ。


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1go-5

工作用紙を3cm幅のバンド状にカットして木材の骨格にタッカーで固定していく。
おおまかな顔になったら、わら半紙を4cm角に切ったものを障子用の糊で貼っていく。
頑丈にしたいので、5重くらい重ね貼りをした。

1go-6

カチカチに乾燥したら、軽量紙粘土で肉付けする。張子と粘土を密着させるために木工ボンドを塗ってから粘土を乗せた。
目玉はお茶の水のレモン画粋で人形の目をゲット。これは正解だった。

1go-7

粘土が乾燥して固まったら汚れない様にリキテックスのパーマネントバーニッシュを塗ってみた。まだ下塗りなので、顔はマジックで適当に。

1go-8

冒頭に書いたように「口ありき」で作り始めたので体は後付けで考えながら作って行く。
胴体部分は空洞なので、肩と腰に骨格を入れる。

1go-9

後付けで身体を作って足まで来たら結構なでかさになってきた。
足は紙管(ボイド管)と丁番。膝の後ろはナイロンベルトで適度の硬さの関節を表現。

1go-10

手だけは服を着せても露出するので、ちょっと手間をかけてブロックから彫り出してみた。

1go-11

腕の関節も足と同様に。後で紙粘土で肉付けするので木ねじを揉んでおく。

1go-12

顔の色は悩んだ末、リアリティを追求して肌色にした。ターナー水性ネオカラー。
胴体も頭の時と同じように張子にしてガチガチに。

1go-13

背中はくり抜いて口の操作を出来るように。中心の脊柱的な角材の反対側にレバーを引くと口が開く仕組みです。腰回りから胸、腹筋は少々粘土で盛りました。
この後腕をナイロンベルトで骨格にビス止めして完成です。

1go-14

身長115cm、体重10kg。6歳男子の平均身長です。

1go-15

完成!
想定外に顔認証も(笑)。

もちろん、翌年の新年会では新しいスターになりました。
腹話術の腕前もかなりのレベルだったので。

※ 夜中と休日(晴れた日だけ) を使い制作期間は約6か月でした。

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